魚の旬とは?旬の魚が美味しいとは限らない!?

旬には二通りの意味が!?

魚の「旬」とは何かご存知でしょうか?

「魚が一番美味しい時期」というのが一般的なイメージだと思います。実はこのイメージ、半分正解で半分間違っています。魚の「旬」という言葉は「魚が一番美味しい時期」の他にもう1つの違った時期を指すこともあるからなんです。

今回は、魚の「旬」の2つの意味を調べたので、わかりやすくご紹介します。

出典写真(以下全て):写真AC

魚には2つの旬がある

「旬」という言葉は誰もが知っているのに、正確な意味はほとんど知られていません。この原因は魚の「旬」という言葉が全く違う2つの意味合いで使われている点にあると思います。

1つ目は「その魚の味が一番おいしい時期=味の旬」

2つ目は「その魚がよく獲れる時期=水揚げの旬」 です。

一般的に、同じ魚でこれら2つの時期は一致しません。そして、「旬」という言葉はいずれの時期を指す場合にも区別なく使われているんです。

例えば、スーパーなどでは「味の旬」と「水揚げの旬」の両方の時期に「旬」と記したシールを貼られた魚が陳列されます。そのため、いつ見てもその魚に「旬」のシールが貼られているような印象を受けます。「旬」のシールの意味を「本日のおすすめ品」程度にしか認識していない方も多いのではないでしょうか。日常生活において魚の「旬」がこのように使われているため、「旬」という言葉は知っているけれどその正しい意味はよくわからない、という状況が生じるのだと思います。

そもそも旬とは

「旬」という言葉は、古くから行われている朝廷行事のひとつである「旬義」に由来しているようです。旬義とは、天皇によって定期的に開かれていた酒宴のことで平安時代に年院2回、4月と10月に開催されていたそうです。4月の旬義は「孟夏の旬」、10月の旬義は「孟冬の旬」と呼ばれ、それぞれの旬義が開催される季節にもっともふさわしいものが賜物にされていました。

孟冬の旬には「氷魚-ひうお」と呼ばれる鮎の幼魚が選ばれていたことから、この時期の鮎がもっとも美味であったと言われています。そこから派生して「旬」とは、魚をはじめとした野菜や果物などの食材が、もっともおいしい時期という認識が広まっていったようです。

旬の例:真鯛

天然の真鯛を例に2つの旬を具体的に紹介します。真鯛はスーパーでは4~6月頃に「旬」のシールを貼られて陳列されます。4月の真鯛は「桜ダイ」とも呼ばれ、いかにも美味しそうに感じます。しかし、実はこの時期は真鯛にとって「水揚げの旬」であり、「味の旬」ではありません。

なぜこの時期に真鯛の水揚げが増えるのでしょうか? それは、この時期が真鯛の産卵期にあたるからです。通常、真鯛は海の深い所(漁獲の対象になりにくい)から浅い所(漁獲の対象になりやすい)にかけて幅広い範囲で散り散りに過ごしていますが、産卵期になると浅場の産卵場に集結します。

そのため、この時期には浅場の産卵場の濃密な群れを狙って効率的に真鯛を漁獲することができるのです。

しかし、残念ながらこの時期の真鯛は身の味が落ちます。卵巣(真子)や精巣(白子)に卵や精子を蓄えるために身のエネルギーを回した結果、身が痩せてしまうからです。

そのかわり、この時期の真子や白子はとても美味しいです。子孫を残すという志半ばにして捕られてしまった魚の弔いの意味も込めて、捨てたりせずにありがたく頂きたいところです。また、たくさん捕れるため値段が手ごろになるのも「水揚げの旬」の嬉しい特徴です。

それでは、真鯛の「味の旬」はいつなのでしょうか?

それは産卵期のちょうど反対の時期の11~3月くらいの期間で、スーパーではこの時期の真鯛にも「旬」のシールが貼られます。この時期は産卵で痩せた身が完全に回復し、まだ生殖腺(卵巣や精巣)にもエネルギーが回っていないので、身に最も脂が乗っています。

「味の旬」の真鯛の刺身は断面が鈍い虹色にゆらめくほどに脂が乗っており、噛めば噛むほど味が出て、この旨味はいつまで経っても消えないのではないかと錯覚してしまうくらい絶品です。

美味しさに比例して値段もまた跳ね上がるのですが、季節ごとの味の変動がきちんと価格に反映される様子を見るのは、季節感を感じにくくなっている今日のスーパーでの小さな楽しみでもありますね。

魚の旬は産卵前?

一般的に魚は産卵前がもっともおいしくなると言われています。これは産卵のために魚が栄養(脂肪分)を十分に蓄えているためです。そのため、魚の味の旬は脂がのった産卵前の時期と言われています。

多くの魚は春に産卵するので、冬のはおいしい魚が増えているのです。

旬の例:スズキ、キハダマグロ

多くの魚は真鯛のように春~夏の初め頃に産卵するので冬に「味の旬」を迎えますが、反対に夏が「味の旬」となる魚もいます。

その代表格がスズキです。

スズキは12~1月にかけての冬場に産卵するため、真夏に「味の旬」を迎えます。真夏のスズキの洗いはジメジメした日本の夏の暑さを吹き飛ばすような清涼感のある味わいで、これを肴に昼間から風鈴の音に耳を傾けつつ冷酒をキュっとやるのが毎年の夏の休日の楽しみになりますね。

また、真鯛と違ってスズキには明確な「水揚げの旬」がありません。スズキはあまり深い所には生息せず、産卵に関係なく常に沿岸を泳いでいてコンスタントに水揚げがあるためだと考えます。

夏が旬の魚

産卵期がおいしいとされている「ハモ」や「ドジョウ」は夏が旬とされています。他にもイサキ、スズキ、メバチマグオ、マカジキ、イシダイ、ゴマサバ、うなぎ、あなごなどが一例です。

うなぎは「土用の丑の日」があることから夏が旬と言われていますが、実は天然ものは冬眠前の時期がもっともおいしいと噂です。今は養殖がほとんどのため需要(土用の丑の日)に合わせて、夏においしくなるように調整もされているのだとか、、、

秋が旬の魚

サンマ(秋刀魚)は秋が旬の魚の代表格ですね。北海道から銚子沖と南下するにしたがって脂肪分が減ってしまいますので、ぜひ北海道のサンマをたべましょう!ぜんぜんおいしくて刺身でも食べること多いくらいです。

他にもアジ、アマダイ、カジキマグロ、カマス、金目鯛などが秋旬になります。

冬が旬の魚

タラ(鱈)はその漢字があらわすとおり、冬が旬の魚です。鍋物にもよくつかわれますね。北海道と東北が主な産地です。この他には、カレイ、ブリ、ひらめ、マグロなどがあります。また牡蠣も冬が旬になりますでしょうか。

春が旬の魚

タラもそうでしたが、魚は漢字で旬がわかります。サワラ(鰆)やニシン(春告魚)は春旬の魚です。他には真鯛、ワカサギ、サヨリ、メバルなどがあります。

なお、近年は漁獲量の落ち込みから輸入が増えてきたり、温暖化や環境変化、そして日本の地形が南北に長いため、地方などによっても旬が少しズレてきてたりすることも多くなっています。

まとめ

魚の「旬」には「味の旬」と「水揚げの旬」の2つの時期があり、それらは繁殖周期と産卵に伴う生息場所の変化によって決まることを紹介しました。

今回の記事では夏や冬に「味の旬」を迎える魚の例を紹介しましたが、春に「味の旬」を迎える魚もいれば秋に「味の旬」を迎える魚もいますし、一年を通して味がほとんど変わらず常に「味の旬」状態の魚もいて、一年中いつでも何らかの魚がおいしく食べられると言えると思います。

「味の旬」にはその魚の最大限の味わいを愉しむことができるし、「水揚げの旬」にはその魚と人の営みの関係に思いを馳せつつ、リーズナブルな値段で真子や白子まで堪能することができます。

たとえ両方の旬を外していたとしても、その魚の生態についてあれこれと考えながら頂くとその時期ならではの味わいがあることに気が付き、それもまた乙なものです。例えば、自分は産卵を終えて痩せてしまったマサバの刺身がとても好きなのですが、それはこの時期のマサバは脂が落ち切っていて純粋に香りを楽しむことができるからです。

魚の「旬」を理解することで魚の生態について知れば、その魚の味わいもより一層深まるはずです。今度スーパーで「旬」のシールを見つけたら、それが「味の旬」なのか、はたまた「水揚げの旬」なのか、是非考えてみてはいかがでしょうか。この機会に「旬の魚」堪能してください。

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